CSWについて





CSWに関するQ&A


情報は2018年11月現在のものです。最新の情報は関連WEBサイトでご確認ください。



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CSWについて

Q.CSWとは何ですか?
A.
CSWとは国連女性の地位委員会(UN Commission on the Status of Women)の略で、毎年 3 月にニューヨークの国連本部で委員会が開催されます*(1)
国連経済社会理事会(UN ECOSOC: Economic and Social Council)の機能委員会の一つで、政治・経済・社会・教育分野等における女性の地位向上に関し、ECOSOC に勧告・報告・提案等を行う委員会です。1946年に発足し、日本は 1958 年から参加しています*(2)。 事務局は2011年からUN Womenです。それまでは国連女性の地位向上部でした。
*(1) 1993年(CSW37)以前はウィーンで開催されていました。また2月から開催されたり、開催回数が2年に1回であったこともあります。2014年(CSW58)以降は国際女性デー(3月8日)の後に開催されるようになりました。
*(2) 日本は国連に加盟する以前に、1950年から非公式オブザーバーとして、1952年からは公式オブザーバーとして(1954年、1956年を除き)参加しています。1957年5月に委員国に初当選し、1958年以降、(1965年、1976年を除き)委員国として参加しています。
Q.CSWとCEDAWはどう違うのですか?
A.
  • CEDAWは、「女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約」 (Convention on the Elimination of All Forms of Discrimination against Women)およびこの条約にもとづく女子差別撤廃委員会(Committee on Elimination of Discrimination Against Women)の略です。
  • CEDAWは専門家23名で構成され1982年に最初の委員が選出されました。締約国が提出する報告書を検討し、男女の平等の原則がどの程度実現されているかの進捗状況を評価します。設立から2007年までは、CSWと同様に国連女性の地位向上部が事務局でしたが、2008年以降は国連ジュネーブ事務所にある国連人権高等弁務官事務所(The Office of the United Nations High Commissioner for Human Rights (OHCHR))が委員会の事務局です。
  • 条約の日本語訳については、http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/josi/
    委員会については、http://www.gender.go.jp/international/int_kaigi/int_teppai/iinkai.htmlを参照してください。
Q.CSWでは何が議論されるのですか?
A.
  • 1995年に第4回世界女性会議で採択された北京行動綱領、第23回国連特別総会(2000年、北京?5 女性2000年会議)の実施との進捗と課題など、ジェンダー平等と女性のエンパワーメントに関わることを予め決まっている優先テーマ(Priority theme)とレビューテーマ(Review theme)に基づいて議論します。各年のテーマについては以下参照。
    http://www.unwomen.org/en/csw#multiyear
Q.優先テーマとは何ですか? レビューテーマとどう違うのですか?
A.
  • 優先テーマとはその会期で議論されるテーマことです。議論の成果は「合意結論(agreed conclusion)」として採択されます。
  • レビューテーマは、過去の合意結論で決まったテーマです。その後確実に実施されているかどうかを検証するものです。
Q.CSWの成果は何ですか? 合意結論とは何ですか?
A.
  • CSWの成果は合意結論と決議です。合意結論は、優先テーマに関してメンバー国が合意したもの。全会一致で決めます。
  • 決議はその他の重要な課題に関するもので、決議はメンバー国の投票により決められます。http://www.unwomen.org/en/csw/outcomes#47
Q.CSWのプログラムはどのようなものですか?
A.
  • CSWの公式会合のプログラムはUN WomenのCSWのサイトを参照してください。CSW62については、http://www.unwomen.org/en/csw/csw62-2018/official-meetings
  • CSWでは公式会合のほかに、サイドイベント、NGO CSW/NYが主催するパラレルイベントなどの各種プログラムがあります。
Q.2週間の前半と後半でどのように違いますか?
A.
  • 第1週(前半)は、大臣対話などの形で、課題を明確にしたり、成功事例を提示したりすることが多く、また、優先テーマに関する各国代表の演説が多く行われ、サイドイベントも第2週より多く行われます。
    第2週(後半)は、合意結論文書の文言の交渉が行われますが、NGOは原則として交渉を傍聴することはできません。サイドイベントなどのイベントも少なくなります。
Q.CSW62ではメインテーマと、その他の問題についての議論の割合はどれくらいになるのでしょうか?
A.
Q.日本代表団のメンバー構成はどうなっていますか?
A.
  • これまでは民間(NGO)出身者が「日本代表」をつとめてきました。代表団の他のメンバーは基本的には政府関係者ですが、毎年NGO代表が代表団顧問として加わってきました。これは長年代表団にNGOを加えるように働きかけてきた成果です。
  • CSW61(2017年)では、初めて日本政府代表団にユースが一人加えられました。CSW62(2018年)以降も継続してユースを加えるよう、女性NGO団体が働きかけ、2018年もユースが一人加わりました。

参加について

Q.CSWには誰でも参加できるのですか?
A.
  • CSWには政府代表、NGO代表が参加できますが、参加の仕方が異なります。政府間会議(公式会合)では、政府代表席には政府代表のみが座ることができ、NGOは傍聴席できくことができます。いずれも人数や席数が限られています。
  • 政府代表の構成は各国政府が決めます。国によっては多様性を示すためにNGO出身者や専門家、ユース、障害者や少数民族を含めます。・NGOは多様な参加の仕方があります。参加の方法については以下をご参照ください。http://www.unwomen.org/en/csw/ngo-participation
    なお、ここでいうNGOとはECOSOCの協議的地位にあるものをいい、NGOを通してCSWに登録し、国連に入るためのパス(写真付きのタグ)がなければ国連構内に入れません。CSWに参加するためには以下の事前の登録と現地でのパス取得が必要不可欠です。
Q.参加の手続きはどうすればよいのですか?(CSWへの参加登録および国連に入るためのパスについて)
A.
  • CSWへの参加登録については
    http://www.unwomen.org/en/csw/ngo-participation/registration
  • 国連の建物に入るためには国連の発行するパスが必要です。パスを入手するには、事前にECOSOCの協議的地位を認められているNGOを通して、CSWへの参加登録が必要です。なお、例年CSWへの登録の〆切は1月下旬ですので、下記の手順を踏むためには12月初めから国内での手続きを開始する必要があります。
  • 順序は
    ① 協議的地位にあるNGOの会員になる。
    ② 協議的地位にあるNGOを通してCSWへの参加登録をする。
    ③ 参加登録証が送られて来たら、それをNYに持参し、NYで所定の手続きに従って国連に入るためのパスを得る。このパスを得る場所や方法は近くになると上記webに掲載されます。
Q.CSW参加者の人数制限はありますか?
A.
  • 登録できるのはNGO(国連の協議的地位にある)1団体当たり20人ですが、年によって変更される可能性があります。

経費について

Q.参加の費用はいくらですか?
A.
① CSWに参加するため登録は無料ですが、協議的地位にあるNGOを通して登録する必要があります。これらのNGOは、通常参加登録は会員に限っているのでそのNGOの会員になる必要があります。会員登録の仕方や会費はNGOにより異なります。
② 国連構内で行われるサイドイベントへの参加は無料です。
③ 国連周辺で行われるパラレルイベントへの参加は無料ですが、NGO CSW/NYを通して登録しておくことが望まれます。
④ NGO CSW/NYが開催するコンサルテーションデイやレセプションは有料で、事前登録が必要です。
手続き等は毎年少しずつ変わりますので詳細はhttps://www.ngocsw.org/を参照してください。
Q.渡航・宿泊手配はどうしたらよいですか?
A.
  • 基本的には各自自分で手配します。毎朝8時に国連構内でNGOによるブリーフィングがあるので、できるだけ近くに滞在する方が便利ですが、ニューヨークのホテルは非常に高いです。JAWWでは、宿泊費の節約のため、共同で宿泊するなどの方法も考えています。
Q.会議で発言の機会がありますか?
A.
  • NGOの参加者が個人として公式会合で発言する機会はありませんが、NGOとして政府間会議で意見表明の機会はあります。詳しくはhttp://www.unwomen.org/en/csw/ngo-participation/written-and-oral-statementsを参照してください。
  • サイドイベントやパラレルイベント、NGOブリーフィングでは、ファシリテータや議長が認めれば自由に発言できます。
Q.CSWにNGOが参加する意味やメリットは何ですか?
A.
  • CSWでの決定に関して影響力を及ぼすことができます。そのような活動をアドボカシー活動またはロビー活動/ロビーイングといいます。アドボカシー活動は原則個人ではなく他の参加者とともに行います。例えばCSW62では、NGOCSW/NYが世界中の意見を集めて、ゼロドラフトに向けての意見書を作成しました。https://www.ngocsw.org/ngo-csw-forum/ngo-csw62-zero-draft-recommendations
  • CSWでの自国政府の発言をチェックして、国内でのジェンダー平等と女性のエンパワーメントの推進につなげることができます。
  • さらに、世界の女性運動の動きを肌で感じ、ネットワークを拡げて世界とつながって活動を進めることができます。
Q.ロビー活動とは具体的にどのようなことを言うのですか?
A.
Q.CSWに参加する人は行く前に日本で積極的に活動している人ですか?
A.
  • 必ずしも活動している人ばかりとは限りませんが、事前に会議で話されることについて分かっている方が有利です。それまで日本で積極的に活動している人は、CSWで自分の問題や関心についてより掘り下げたり、経験を発信したり、世界の人と共有できますが、そうでない人でも、CSWへの参加をきっかけに刺激を受け、帰国後活動の幅を拡げる人もいます。

イベント

Q.ユースのためのプログラムとはどのようなものですか。また参加方法について教えて下さい。
A.
  • サイドイベントの一つとして2016年よりユースのためのプログラムが、UN WomenとYWCAとの共催で開催されるようになりました。CSW60(2016年)、CSW61(2017年)には会期前にユースフォーラムが、CSW62(2018年)では会期中にユース・ダイアログが開かれました。参加申込は、主催者の指示に従い、決められた手順で各自登録してください。会場の関係で人数制限があるかもしれません。なお、参加するためには国連に入るパスが必要です。
Q.サイドイベントについて教えてください。
A.
  • CSWの期間中に主には国連構内で行われるイベントのことです。各国政府、国連機関、NGOなどが共催で行います。政府間会議が行われない時間に空いている部屋を使って同時並行で行うことが多く、第1週に集中する傾向がありますので、参加したいイベントを事前に選んでおき、事前に申込むか、当日は早目にその部屋に行って席を確保しておくとよいでしょう。CSWの政府間会議のテーマに関係するテーマのイベントが多いようです。
  • 日本政府国連代表部による主催、共催のサイドイベントがいくつかあり、JAWWを含む日本の3NGOとの共催によるサイドイベントも毎年開催されています。サイドイベントのスケジュールは、UN WomenのCSWのサイト内のCalendar of Side Eventsに掲載されます。
Q.3NGO主催のサイドイベントはいつ始まったのですか。
A.
  • 2009年(CSW53)から始まりました。詳細は、 https://www.jaww.info/aboutcsw-2.htmlを参照してください。
    なお、2012年(CSW56)まではJAWWが事務局を担当していましたが、2013年(CSW57)以降は3NGO*が持ち回りで担当するようになりました。
    *3NGOとは、国連NGO国内女性委員会、国際婦人年連絡会、JAWWです。
Q.パラレルイベントについて教えてください。
A.
  • NGOが実施するイベントで、NGO Committee on the Status of Women (NGO CSW/NY)が事務局となり、会場や日程を調整します。
  • 国連の外で行われ、チャーチセンター(国連の向かい側にある建物)が主会場になります。プログラムはhttps://www.ngocsw.org/にも掲載されます。
  • パラレルイベントの実施は有料です。
  • パラレルイベントへの参加は無料ですが、NGO CSW/NYへの登録が推奨されます。
Q.NGO Committee on the Status of Women (NGOCSW/NY) について教えてください。
A.
  • NGO CSW/NYは団体および個人会員からなるボランティア組織で、国連CSWおよびUN Womenの活動を支援するため活動しています。
  • パラレルイベントのコーディネーションに加え、課題別のコーカス会合などNGOが話し合う機会を提供しています。
  • CSW開催の前日に行われるNGOコンサルテーションデイ、期間中のNGOモーニング・ブリーフィング(毎朝8時~)、アドボカシートレーニング、レセプション、手工芸品フェアなど多彩な行事を開催、詳細はhttps://www.ngocsw.org/を参照してください。
  • コンサルテーションデイは有料で、事前の登録と支払いが必要です。CSWの前日に行われCSWの議長やUN Womenの事務局長など主だった方が出席されます。
  • NGO CSW/NYの歴史はhttps://www.ngocsw.org/about-ngocswny
Q.NGOブリーフィングについて教えてください。
A.
  • 初日を除いて、基本的に朝8時から国連構内であります。これはNGO CSW/NYが開催するもので、UN WomenによるCSWの政府間会議の論点や交渉の状況などの説明があります。また、世界中からきたNGOが集まる場でもあり、活発な議論が行われます。会場は、https://www.ngocsw.org/やハンドブックを参照してください。
Q.日本政府国連代表部による日本語によるブリーフィングについて教えてください。
A.
  • 日本のNGO参加者のために、CSW日本代表および国連代表部の交渉官による合意結論の交渉の進展に関する説明があります。過去数年は日本政府国連代表部会議室で、第1週に1回、第2週に1回計2回開かれました。
  • 国連代表部に入るにはセキュリティが厳しいので、事前に名簿を作成して提出しなければなりません。そのため、3NGOが交代で日本からのNGO参加者の名簿を作成しますので、希望者は日本出発前にかならず担当者に連絡してください。担当者のメールアドレスは通常、JAWWが開催する直前勉強会でお知らせします。
    また、当日は玄関で待ち合わせて一緒に入館しますので、集合時間に遅れないでください。日程などの急な変更はすべてeメールで行います。NY滞在中は頻繁にメールのチェックをしてください。
Q.一日のスケジュールはどのようになってますか?
A.
  • 初日はオープニング等があり、NGOは傍聴席または別室で傍聴することができます。
  • 初日以外、基本的に朝8時から国連構内でNGOモーニングブリーフィングがあります。これは合意結論に関する政府間交渉の進捗状況などを聞く重要な機会です。(通常政府間交渉にはNGOは参加・傍聴できません。)
  • 政府間会議は、通常、月曜日から金曜日、午前は10-13時、午後は15-18時
  • サイドイベントは、政府間会議が開かれていない時間帯が多いようです。
  • 土、日は、国連はお休みですが、国連の外でパラレルイベントなどがあります。パラレルイベントの時間割は、https://www.ngocsw.org/を参照してください。
  • これらをどう組み合わせるかは自由ですが、国連ビルの出入りにはセキュリティチェックがありますので、余裕を持って予定を立てるようにしましょう。

NGOによる参加支援

Q.団体の支援を受けるというのはどういうことですか?
A.
  • 支援をする目的、支援のメニューは団体により異なりますので各団体のホームページを見てから、直接問い合わせてください。
  • JAWWの若者支援についてはhttps://www.jaww.info/aboutcsw-3.htmlおよびお知らせページをご覧ください。

CSWの成果と影響

Q.CSWにおいては「女性」が主なテーマですか? 「性の多様性」についてはどの程度議論となっていますか
A.
  • ジェンダー平等の達成と女性と女児のエンパワーメントが主要議題です。その実施には男性と男児に伝えることが重要なので、UN Womenは男性や男児を対象とした“He for She”キャンペーンを実施しています。
  • ジェンダー平等には性的マイノリティも含まれます。これについてもサイドイベントや公式会合での発言はありますが、合意結論は全会一致が原則なので、かなり曖昧な表現になっているようです。どのような文言になるかはロビー活動も影響します。
Q.日本の法制度に、ダイレクトに影響していますか? CSWを通して政府の対応などを知りたいです。
A.
  • 日本の法制度に直接的には影響しませんが、政府の方針、施策や世論形成を通して間接的に影響することがあります。
  • CSWの成果は終了後、外務省や男女共同参画局のホームページに掲載されます。
Q.日本に帰ってきてCSWで得たものが具体的に手ごたえを持って活かされたかを知りたいです。
A.
  • これまでのJAWWの参加報告会や勉強会での参加者による報告を見る限り、確かな手ごたえをもって帰っており、それぞれの活動に活かされているようです。
  • 特にJAWW若者支援受賞者の報告書や若者支援受賞者のその後の活動については、以下をご参照ください。https://www.jaww.info/aboutcsw-3.html

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